小型包装物(スモールパケット)が値上げに…!「国際郵便の一部料金改定のお知らせ」を解説!

国際郵便

 

 

まだまだコロナ渦が続きますが、国際郵便の環境も変化しています

2021年1月1日から、EMSや国際小包の発送ラベルが従来の手書きラベルでの差し出しが基本的にはできなくなるなどしています。

⇒ 2021年1月の手書きラベルでの発送不可の詳細は・・・

 

 

そんな中、郵便局でもらったお知らせチラシが気になりました。

『国際郵便の一部料金改定のお知らせ』

これは、頻繁に海外へ発送する方や海外で商売や取り引きを行っている方にとっては重要な情報です。

このお知らせチラシと共に詳しく解説していきます。

 

 

 

国際料金改定はいつから?

 

 

2021年4月1日の発送から料金が改定されます。

 

 

もうすぐ料金改定があるんですね。事前に内容を確認しておくのは大事ですね!
 

 

 

国際郵便のどんなサービスが対象?

 

 

  • 国際eパケット
  • 国際eパケットライト
  • 航空小型包装物
  • SAL小型包装物
  • 船便小型包装物
  • Dメール(航空優先大量郵便物)
  • Pメール(航空非優先大量郵便物)

 

 

国際eパケットは航空扱いの書留付き小型包装物です。国際eパケットライトはSAL扱いの追跡サービス付き小型包装物のことです。ですから今回の料金改定の対象サービスは『小型包装物』が対象となっているということですね。

 

 

 

国際郵便料金の改定の背景は?

 

 

日本郵便のホームページでのプレスリリースではこう書かれています。

国際郵便料金には、各国の郵便事業体間で差出国から配達国に支払う国際郵便物の配達手数料が含まれています。従前は、発展途上国を考慮し、万国郵便条約において配達手数料は安価に設定されていました。しかしながら、このたび、アメリカ合衆国をはじめとする配達国の配達コストを賄えるよう、同条約が制度改正され、特に小形包装物の配達手数料が大幅に上昇しました。
現在の料金では、日本郵便のサービス提供を維持できる収益の確保が困難な状況となり、上昇した配達手数料を適切に補う必要があることから、国際郵便料金の一部を改定します。

日本郵便HP プレスリリース

 

 

どういう背景があって国際郵便料金が改定されることになったのかが気になったので、郵便局員さんに詳しく聞いてみました。

 

 

国際郵便料金改定の経緯

国際郵便には送付国から宛名国に対して配達手数料を支払う制度になっているようです。それが到着料と呼ばれています。今までは世界各国の郵便利用促進を目的に「万国郵便条約」により発展途上国にも負担できる安い配達手数料になっていたとのことです。

近年のインターネットの販売網の進歩によって小型包装物(スモールパケット)のような物品が世界的に取扱量を増加させています。そういう環境の中、アメリカをはじめ主要国では今までの配達手数料では十分なコストを賄えていなかったんです。特に中国からの小型包装物(スモールパケット)の配達手数料が安価となっていたので、アメリカ政府が現状制度に対して異議を唱えました。

2018年10月にアメリカ政府は自国のコストに見合う料金制度導入ができない限りは万国郵便連合(UPU)を脱退すると通告したんです。

万国郵便連合は2019年9月に急遽UPU臨時会議を開催して万国郵便条約を改正して、小型包装物の到着料の引き上げと自己申告料率制の導入を決定しました。

 

 

要は世界的には安い到着料金で成り立っていた制度だったところ、中国の台頭で中国からの小型の荷物が大量にアメリカなどへ配送されてきて配達手数料を賄えないってトランプ大統領が怒って、こんな状況が続くなら万国郵便連合(UPU)を辞めるぞ!って言ったことから改正されたことが背景にあるようです。

 

 

 

主な改正内容!

 

 

① 国際郵便(小型包装物)の料金改定

先述した国際郵便の小型包装物(スモールパケット)の郵送料金が改定。

基本的には「背景・経緯」からもわかるように値上げになります。

しかし、「国際郵便料金の一部改定」とあるように、一部の料金帯では値下がりする部分もあります。

そこのところは、あとで比較していきます。

 

 

② 新しい地帯の創設

アメリカがトランプ政権時に言い始めた経緯もあって、アメリカ合衆国はもともとは北米や欧州と同じ「第2地帯」に区分されていましたが、「第4地帯」を新設して独自の料金帯を作りました。

よって、グアムやサイパン等のアメリカの海外領土も「第4地帯」に変わります。(グアム・サイパンは第1地帯⇒第4地帯

もちろん、料金は値上げになります。

平均約3倍。最大では6.5倍になります。

 

 

③ 重量区分の簡素化

国際郵便の航空扱いの小型包装物(スモールパケット)の料金区分は50g単位で区切られていましたが、簡素化されて100g単位で区分されることになりました。

よって、1kgを超えるような重量では簡素化によって、今までよりは料金が安くなり値下がりになっています。

 

 

料金の改定についてはこのあと比較検討しますが、軽量帯が大きく値上がりしており、重量帯では値上がり幅が小さいか値下がりしているところもありますね。
そして、アメリカだけで独自の料金地帯「第4地帯」を作ったところは、トランプ大統領っぽいですね。中国との軋轢が見え隠れします。
区分の簡素化はわかりやすくなっていいと思います。

 

 

 

国際郵便の料金改定の比較検討!

 

 

まずは、料金改定の傾向を確認しておきます。

軽い重量の郵便料金の値上がり幅が大きく、重い重量の郵便料金はあまり変わらないか少し値下がりするところもある。

ということです。

なぜこういう料金改定になったのか気になったので、いつもの郵便局員さんへ詳しく聞いてみました。

難しい話だったのですが、従来の配達手数料は「重量あたりの料率」と「郵便物1個あたりの料率」で計算されていたようですが、今回の改定では「郵便物1個あたりの料率」が大きく上がったから、軽い料金帯は重い料金帯に比べて値上がり幅が大きくなった。

ということでした。

 

 

 

【地帯】

  • 第1地帯・・アジア
  • 第2地帯・・カナダ・オセアニア・中近東・ヨーロッパ
  • 第3地帯・・南米・アフリカ
  • 第4地帯・・アメリカ(グアム・サイパン等)
 

国際eパケットの料金は?

国際eパケットとは「航空扱いの書留の小型包装物」のサービスです。

航空扱いの小型包装物は料金区分も50から100g単位へ変わっています。

日本郵便HPより
◎ 国際eパケット第1地帯の最軽量であった50gで
は530円であったところ、690円になります。160円の値上がりで30%超の上昇率です。
しかし、グアム・サイパン宛てなら第4地帯へ変更になりましたので530円から1,150円になり620円の値上がりに。216%の上昇率です。

日本郵便HPより
◎ 国際eパケットの第1地帯の1800gなら2,380円だったところ今後は2,220円になります。160円の値下がりです。
最大重量の2000gは2,360円から2,400円になり40円の値上がりです。

 

 

 

国際eパケットライトの料金は?

国際eパケットライトとは「SAL扱いの記録付き小型包装物」のサービスです。

もともと、100g単位の料金体系ですが、1250gと1750gだけ例外がありますがまだ比較しやすいです。

◎ 最軽量帯の100gでは、第1地帯で90円の値上げ、第2地帯で140円の値上げ、第3地帯では150円の値上げ、第4地帯では410円の値上げと地帯が上がると値上げ幅も大きくならりますね。

◎  第1地帯の1800gは105円の値下がり、1900gは30円値下げ、2000gは45円の値上げです。第4地帯はどの重量帯も値下がりはなく全て値上げですね。

 

 

航空扱いの小型包装物の料金は?

航空扱いの小型包装物(スモールパケット)は取扱量が多いですがどうなるのでしょう?

50g単位から100g単位に区分が簡素化されています。

◎ 第1地帯の50gではもともとが安い120円だったところ350円と約3倍。同じ50gでは第2地帯と第3地帯では3倍超、第4地帯については5倍になります。特に軽量帯の値上がり率が大きいですね!

◎ 重い重量帯は重量区分の簡素化で値下がりもしくはほぼ横ばいの価格改定ですね。新地帯の第4地帯だけはしっかり値上がりしています。

 

 

SAL扱いの小型包装物の料金は?

SAL扱いは、航空便の空きスペースを利用して送達に日数をようすことを了承したような扱いです。

その分、料金が安いのがメリットでしたが、今回の料金改定で値上がりしたので、そのメリットが薄れた傾向にあります。

◎ 最軽量帯の100gは第1地帯では2倍に、第2地帯は2.4倍、第3地帯は2.25倍、第4地帯は4倍になります。各重量帯で上がり幅が一定で第3地帯が270円ずつと第4地帯は540円ずつ値上がっています。

◎ SAL扱いは重量区分の簡素化がないため、重い重量帯でも値下がりは見受けられません。第1地帯と第2地帯の値上がり幅は重くなればなるほど幅が小さくなる傾向です。

 

 

船便の小型包装物の料金は?

船便扱いは配達日数が1ヶ月〜3ヶ月を要するなどゆっくり配達日数に余裕を持てる場合に便利でした。

船便扱いは地帯区分がないため全世界同一の料金です。

◎ 最軽量帯では350円も値上がり、最重量帯で520円もの値上がりです。他の扱いとは違い地帯区分がないため、第1・2地帯などでは航空便やSAL便の方が安くて早く配達できるケースも多いですね。

 

 

 

国際郵便料金の一部改定のまとめ!

 

 

今回の『国際郵便料金の一部改定』をまとめると、

 

 

料金改定は、2021年4月1日の発送から

対象は、小型包装物(スモールパケット)に関する国際郵便物です。

  • 国際eパケット
  • 国際eパケットライト
  • 航空扱い小型包装物
  • SAL扱い小型包装物
  • 船便扱い小型包装物
  • Dメール(航空優先大量郵便物)
  • Pメール(航空非優先大量郵便物)

 

 

主な改正点は…

◉ 小型包装物の料金の値上げ

◉アメリカ宛てを第4地帯として新設。

◉ 料金区分を50g単位を100g単位に統一。

 

 

・料金の値上げについては、軽い重量ほど値上がり率が高くなっており、重い重量帯は値上がり率が低いもしくは値下がりしているところもあります。

・第4地帯を新設してアメリカだけ別にすることにより、アメリカ宛ての小型包装物は料金が最大6倍ほどになります。気をつけたいのが、グアム・サイパン宛ては今まで第1地帯としていましたが、今回の改定で第4地帯に入ります。

・主に航空扱いの料金区分が100g単位と他の扱いと同様になったのはわかりやすくなりました。簡素化に伴って重い重量区分では今までよりも安くなっています。
今回の料金改定には、中国などの新興国の台頭によるものと、国際eコマースによる小型荷物の物流量の増加が背景にあり、アメリカが強く万国郵便連合(UPU)に迫ってのことのようなので致し方ないですが、軽い荷物を送るのに利用していた方にとっては、かなり痛い料金改定になりましたね。

 

 

 

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