『郵便局へ行けば何でも郵送してくれる!』って思ってる方も結構いらっしゃるのかと思います。
僕自身が郵便局の窓口で、郵送を断られたり注意されたりした経験を元に、郵便局員さんから教えてもらったり、郵便局お客様サービス相談センターへ問い合わせた情報をまとめてみました!
何で郵便局で引受禁止なの?
郵便法(郵便禁止品)
郵便局で郵便物の内容品で引き受けを断られる理由・根拠は法律にあるそうです。
その名も、『郵便法』。
郵便法 第十二条 (郵便禁制品)
次に揚げる物は、これを郵便物として差し出すことができない。
1.爆発性、発火性その他の危険性のある物で総務大臣が指定するもの
2.毒薬、劇薬、毒物及び劇物(一部の差出を除く)
3.生きた病原体及び生きた病原体を含有し又は生きた病原体が付着していると認められるもの(一部の差出を除く)
4.法令に基づき移動又は頒布を禁止された物
郵便法 第十二条
そして、この郵便法を守らなかった場合には、法律違反となり罰則もあります。
郵便法 第八十一条
(郵便禁制品を差し出す罪)
第十二条の規定違反のあったときは、その違反行為をした者を五十万円以下の罰金に処し、その郵便物として差し出した物を没収する
郵便法 第八十一条
という厳しい内容です。
安易に考えて郵便物に入れて差し出すと大変な事になるので、気をつけないといけないですね。
郵便局ではこの法律を元に、『内国郵便約款』や『ゆうパック約款』にそれぞれでの取り扱いでの引き受け禁止事項が書いてあります。
引受禁止品のカテゴリー
郵便局の窓口で引き受けをしてもらえない禁止物品は大きく分けて6つのカテゴリーに分かれています
- 発火物・引火物
- 引火性液体
- アルコール類
- 高圧ガス・可燃性ガス
- 強酸類・劇毒物・放射性物質
- その他
このカテゴリー別に具体的な品名を揚げていきます。
✖・・・引き受けができない品名
△・・・内容品欄へ適切に記載すれば引き受け可能
発火物・引火物
その物品自体が一定温度以下で発火したり、一定温度以下で引火しやすい物で、輸送に制限がある物。
ガスライター ✖
発火する物として危険。可燃性のガスが完全にない事が確認できないため引き受けできません。
花火 ✖
火薬類が含まれておりに引火しやすく危険なため引き受けできない。
クラッカー △
火薬やガスが使用されている可能性があるため危険。パーティーで使用するものは火薬・ガスが含まないことを内容品欄へ記入すれば引き受け可能。
マッチ ✖
発火性の物質を使用しており危険なため引き受けできない。
発煙筒 ✖
発火性・爆発性の物質を使用しており危険なため引き受けできない。
爆竹 ✖
火薬等の爆発性の物質が含まれているため引き受けできない。
エアバッグ ✖
火薬等を使用しており危険なため引き受けできない。
おもちゃ △
「おもちゃ」のみの記載では、「花火」等の火薬類や「プラモデル」等の中に引火性の接着剤が入っている可能性があるため、内容品欄へその旨を記入する事で引き受け可能。
キャンプ用品 △
「キャンプ用品」との記載では、「ガスボンベ」や「着火剤」、「ライター」「マッチ」などの引き受け禁止品を含んでいる可能性があるため、内容品欄へ適切に記入すれば引き受け可能。
引火性液体
引火点が低く輸送過程で引火する可能性のあるため、輸送の制限がある液体。
マニキュア △
引火しやすいものとして危険。引火点が30度を下回らない事を確認して、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
除光液 △
マニキュアを落とすのにアセトンという引火性の成分を含んでいる可能性があるため、アセトンを含まない事とアルコール度数が60%未満である事を記入すれば引き受け可能。
ガソリン(携行缶) ✖・△
ガソリンは引火性の液体として引き受け不可ですが、ガソリン携行缶については一度使用するとガソリンの残留の恐れがあり引き受け不可、未使用の新品は内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
灯油(ポリタンク) ✖・△
灯油が引火性の液体として引き受けできません。ポリタンクは一度でも使用していると灯油の残留の可能性があるため引き受けできません。未使用の新品のものは内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
エンジン(キャブレター) ✖
小型のエンジンやキャブレターにはガソリンが含まれている可能性があるため引き受けできません。
キャブレターは新品未使用ならその旨を品名欄に記入すれば引受可能です。
石油ファンヒーター △
使用した事のある石油ファンヒーターは灯油を含んでいる可能性があり、輸送中に灯油が漏れ出して他の荷物を汚す恐れがあるため引き受けできません。
未使用の新品のものは、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
ランタン △
引火性の燃料(引火性液体・可燃性ガス)を使用しているランタンは引き受けできません。電池式のランタンやガス式のランタンはガスボンベがついていない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
オイルライター(ZIPPO) △
可燃性のオイルを使用するため使用済みのものは引き受けできません。未使用のオイルライターも芯などにオイルが染み込んでいる可能性があるため、抜き取ってから内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
ラジコン △
ガソリン等の燃料エンジンを搭載しているラジコンは引き受けできません。電池式のラジコンは内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
ペイント塗料 △
塗料によって引火点が低く引火の恐れがあるため、引火点が30度を超えている事を確認して、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
接着剤 △
接着剤には引火点が低いものがあるため、引火点が30度を超える事を確認して、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
プラモデル △
プラモデルには、接着剤やボンドが同梱されている事があり、引火点が30度を超えていることの確認が難しいため、それらを抜き取るか、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
バイク部品 △
ガソリン等の燃料を含んでいる可能性があり、油圧式の部品には高圧のものもあるため危険物として引き受けできません。危険物でない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
シンナー ✖
引火点が低く引火の恐れがあるため引き受けできません。
芳香剤 △
引火性液体を含んでいる可能性があるため引き受けできません。引火性液体を含まない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
昆虫標本 △
引火性の液体を含む可能性があるため。乾燥の昆虫標本であれば引き受けできますが、アルコール濃度の高いエタノール等に漬け込んだ昆虫標本は引き受けできません。
ストームグラス ✖
ストームグラスの液体部分には、エタノール等の可燃性の液体を使用しているため引き受けできません。
アルコール類
一定の割合のアルコールを含有しており、危険なものとして輸送に制限があるもの。
お酒 △
「お酒」だけではアルコール度数がわからないため引き受けできません。
内容品欄へ具体的なお酒の種類とアルコール度数を記入すれば引き受け可能。
なお、航空搭載地域へは内容量に制限があるため確認と記入が必要。
詳しくは ⇒ こちら記事でご確認ください。
香水 △
一般的にはアルコール度数が60%以下の香水は存在しないため引き受けできません。
練り香水などのアルコールを含まない香水は内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
エタノール △
アルコール度数が高く引火性の液体であるため、アルコール度数が60%以下のであれば、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
消毒液 △
アルコール度数が不明のため、アルコール度数が60%以下である事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
消毒液については、アルコールの有無やその他の成分によっても取り扱いが違います。
除菌剤 △
アルコール度数が不明点なため、アルコール度数が60%以下である事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
除菌剤については、アルコール成分以外も含めて、こちらで詳しく解説しています。
液体着火剤 ✖
アルコール度数の高い油分を含んでおり、引火性の液体であり引き受けできません。
クレンジングオイル △
クレンジングオイルの中には、アセトン等の引火性の液体を含むものがあり、含まない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
高圧ガス・可燃性ガス
圧力をかけて圧縮して大気よりも圧力の高いガス、空気中で燃えるガスに該当して、輸送の制限があるもの。
スプレー缶 △
「液化石油ガス(LPG)」や「ジメチルエチール(DNE)」などの可燃性ガスを使用している可能性があるため引き受けできません。
可燃性ガスを使用していない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
カセットボンベ ✖
可燃性ガスを使用しており、引火や爆発の恐れがあるため引き受けできません。
カセットコンロ △
カセットボンベを同梱もしくは付属している可能性があるため引き受けできません。
カセットボンベがついていない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
エアブラシ △
引火点の低いペイント塗料を含んでいる可能性があり、スプレー缶等を含んでいる可能性があるため引き受けできません。
引火点が30度以下である事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
殺虫スプレー(殺虫剤)△
可燃性ガスを使用したスプレー缶の可能性があるため引き受けできません。
可燃性ガスでない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
消臭スプレー(消臭剤) △
可燃性ガスを使用したスプレー缶の可能性があるため引き受けできません。
可燃性ガスでない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
ダイビング用品 △
「ダイビング用品」のみの記載では、タンクやボンベなどが含まれる恐れがあるため引き受けできません。
内容品欄へ「シュノーケル」「水中ゴーグル」「ウェットスーツ」など具体的な名前を記入して、ボンベ等の高圧ガスが入っていない事を確認してその旨を記入すれば引き受け可能。
BC・BCD(浮力調整装置) △
ダイビング用品のBCD(浮力調整装置)は高圧ガスを使用していなくて、ボンベ類も同梱されていない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
炭酸ガスカートリッジ △
高圧ガスを使用している可能性があるため引き受けできません。
高圧ガス保安法の適用しない事を確認の上、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
スポーツ用品 △
「スポーツ用品」のみの記載では、冷却スプレーや筋肉痛緩和スプレーを含む恐れがあるため引き受けできません。
具体的な品名を記入して、可燃性ガスを使用したスプレー缶を含まない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
整髪スプレー(整髪料) △
スプレー缶に入っている可能性があるため引き受けできません。
「ヘアームース」「ヘアーワックス」など具体的な品名を記入して、スプレー缶などの可燃性ガスを使用していない事を内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
強酸・劇毒物・放射性物質
毒物・劇物・強い酸性の物・放射性の物質により、輸送中に車両や人に危険を及ぼすもの。
シールドバッテリー ✖
硫酸を含んでいる可能性があるため引き受けできません。
除草剤 △
成分に毒物・劇薬が含まれている恐れがあるため引き受けできません。
含まれていない事を確認して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
毒物・劇薬であっても、官公署や医師等または劇毒物営業者からの発送は引き受け可能。
シロアリ駆除剤 △
劇毒物や引火性の液体が含まれている可能性があるため引き受けできません。
内容成分に劇毒物や引火性液体が含まれていない事を確認して、スプレー缶でない事も内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
農薬 △
毒物・劇薬が含まれている可能性があるため引き受けできません。
内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
劇毒物であっても、官公庁や医師または劇毒物営業者からの発送は引き受け可能。
医薬品 △
「医薬品」のみの記載では、劇毒物や引火性液体を含んでいる可能性があるため引き受けできません。
「胃薬」「風邪薬」「鎮痛剤」など具体的な品名を記入して、劇毒物でない事を確認して、内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
差出人が官公庁・医師等であれば引き受け可能。
鉛蓄電池 ✖
腐食性の物質である「希硫酸」が含まれており引き受けできません。
ホルマリン △
ホルマリン・ホルムアルデヒドは劇物にあたるため引き受けできません。
差出人が官公庁・医師等・取扱営業者の場合は引き受け可能。
肥料 △
「肥料」だけの記載では、内容品に劇毒物や引火性液体が含まれている可能性があるため引き受けできません。
内容品欄へ具体的な品名を記入して、確認したその旨を記入すれば引き受け可能。
その他
上記以外で輸送過程で車両・人に危険を及ぼす可能性のあるものや、法令に基づいて移動もしくは頒布を禁止されたもの。
ドライアイス △
密閉性の高い容器に入っていると爆発する恐れがあるため引き受けできません。
包装が十分でない場合、輸送時に手に触れて火傷のおそれがあるため、梱包にも注意が必要。
具体的な品名を記入して内容品欄へその旨を記入すれば引き受け可能。
病原体 △
病原体が含まれており、輸送時の漏れ出しに危険が生じるため引き受けできません。
官公庁や細菌検査者・医師等からの差し出しのみ引き受け可能。
移動禁止物 ✖
法令に基づき移動または頒布を禁止された物は引き受けできません。
動物
人に危害を加える動物や生きた病原体を持っている可能性があるため引き受けできません。
悪臭を放たず、餌や水分が不要な小動物などは引き受け可能な事もある。
使い捨てカイロ
使い捨てカイロについては、こちらの記事を参考にしてください⇒
まとめ!
実際に郵便局で発送する時に困った経験から徹底的に「引き受けができないもの」を調べてみましたが、意外なものも多くて大変興味深かったです
梱包して宛名ラベルを書いて、そしてわざわざ郵便局まで行ってから発送できない事がわかって、無駄な時間を過ごさないように確認してみてください。
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